郡上八幡逍遥1

昼過ぎに山代温泉を発ち、越前大野から九頭竜川に沿って美濃街道を郡上八幡へ向かう。
上流にある九頭竜湖周辺は紅葉の見所だが、錦秋 盛りを過ぎ、最高地点の油坂峠では、昨晩降った雪が沿道に高く積まれている。

郡上八幡は長良川最大の支流吉田川と小駄良川の合流点に開けた古くからの城下町。街中を毛細血管のように水路が廻り、今も生活に利用している「水の里」。この街の動脈とも言える吉田川は、夏は鮎釣りや、子供たちの度胸試しの飛び込みで賑わう。

郡上八幡に入ったのは3時少し前。山に囲まれた盆地では夕暮れも早い。宿での休憩もそこそこに散策に出掛けた。一番の高台、郡上八幡城からは川沿いに広がる魚型の街全体を見渡せる。

今夜の宿は、元々は料理屋で明治13年に郡上にはじめて鰻の味を伝えたという吉田屋。旨い日本酒と名物の鰻で芯から冷えた体を温めるとするか...。