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La Sante Story of a wild duck

Monday, December 8, 2008


遥々シベリアから北海道を経由して、米どころ新潟で栄養豊富な落ち米をついばんで、冬を
乗り切ろうとしていた僕。不覚にも囮の鴨につられて寄ってきたところを、大きな網でバサッと
やられて北海道に戻って来ました。北海道に戻ってからは、一週間ほど暗くて涼しい場所に
吊るされていました。僕を熟成させて、美味しく食べて貰うためです。
難しいコトバではフザンダージュと言うらしいです。



注文が入ると皿に載せられて綺麗な体をお客に披露します。貴重な網獲り鴨はシェフ自ら
この儀式を行います。値が張る僕を注文するのは良いお客だからです。
シェフの説明では、網取りの僕は内臓も傷んでいないので美味しいらしい...です。

前菜の「真だちのムニエル・トマト風味」や「フォアグラとユリ根とトリュフの衣揚げ」などで、
皆が楽しんでいる間にこんな姿になりました。このまま少し休みます。糸で縛られているのは、
熱くて僕が暴れないようにと言う気遣いです。

僕の内臓や血や骨を赤ワインで煮詰めたサルミソースを掛けられて完成です。
サルミソースは鴨圧搾機と言う専用の機械で内臓や骨を粉々に砕いて赤ワインと一緒にグツ
グツ煮詰めて作ります。ここがシェフの腕の見せ所です。腿と心臓と砂肝も後から出てきます。


(お客様の感想)
越冬に備えて十分に栄養を蓄えた鴨は旨い。
滑らかな舌触りだが噛むほどに、味が染み出てくるのは野生の証。
力強い肉とコクのあるソースサルミの相性がとても良かった。

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